新規開業は、基準期間の売上と納税義務の判定が難しい

基準期間の理解

とにかく消費税の問題点は、納税義務の判定です。
これが煩雑になって理解しにくいのです。

まず、顧客が、
消費税の納税義務があるのか、どうなのかは、
ご存じでしょうが、基準期間の課税売上で判定します。

納税義務は、
簡単に言うと2年前の課税期間の課税売上高で
決まります。

消費税も施行しはじめの時には、
基準期間のことと、納税期間のずれを知っていれば、
偉そうに話せました。

「2年前の売上が1000万円を超えれば、
今年に消費税を納めることになります。
でも、2年前の売上分の消費税を払うのではなく、
今年の売上分の消費税を払うんですよ。
今年、納税するのかどうなのかは2年前の売上できまるんです」
と告げるだけで、

一般の人に
「へーっ?そうなの。先生は何でも知っている!」
と言われた人もいるのではないでしょうか?

消費税が施工された頃は、法人を設立しても
設立一期目、二期目の納税について、
納税義務はないので楽でした。

ところが、還付申告のことを
考えなければならない場合もありました。

これが非常に問題視されたのです。

また、個人事業者が相続により
親の事業を承継した場合に、
納税義務の判定が原則と異なります。

納税する計算期間も、親の分や、
親の事業を承継した後の分も
消費税の計算をしなければならない場合もあるのです。

これは今でも忘れがちなので、
個人事業者の事業相続があった場合には
参考書をよく見て確認しなければなりません。

基準期間の理解はとても重要です。

しかし、この基準期間のことや納税義務のことが、
新しく設立した法人の場合に
問題になるようになりました。

納税義務の判定

特定期間

さらに平25年からの改正で、
特定期間というものまで出てきてしまいました。

特定期間は個人業の場合には
1/1から6/30までの期間を言いますので、
その期間の課税売上も考慮して
納税義務の判定をしなければならなくなりました。

新規開業の個人事業者の場合には、
開業の年に6月以前に開業したのかどうかで、
開業2期目の納税義務の判定も
考えておかなければならなくなりました。

開業前に相談してくれれば、
そのことを注意できるのですけど、
開業後の年に依頼がある場合には、
「開業2年目は基準期間の課税売上がないから
納税しなくてもいいです
とすぐに言えなくなりました

 

届け出に注意

免税事業者は、翌期から課税事業者になる場合には
「課税事業者届出書」を出さなければなりません。

これに似ているのか
「課税事業者選択届出書」です。

これは免税事業者なのだけど、
課税事業者になる場合に出す書類です。

昔は、これを間違って届け出しまう経営者もいました。

士でも勘違いして出してしまった人もいました。

納税義務がない筈なのに、
なぜ消費税の申告書が送られてくるのか
不思議に思うことがありました。

調べると「課税事業者選択適用届出書」を
出していることがありました。

消費税が施行され始めの頃は、
時々こんなことがありました。

 

後で間違ったと言っても、訂正がきかないので、
厄介な税金だと
士業の間では問題視していました。

 

消費税は、独特の用語をひんぱんに使い、
似ている用語がかなり多いのでわかりにくいんです。

新しい法律なのに、わかりづらい言葉を使うので、
どうにかならないのか?といつも思っています。

新設法人という用語も、
単に新しく設立した法人のことでありません。

そして、新設した法人の一期目だって
納税義務が生じる場合もあるので注意が必要です。

 

基準期間や基準期間の課税売上のことは、
しっかりと理解して、絶対に忘れてはいけません。

 

新しく事業を始めた個人業者や、
法人にはかなり神経を使うことになります。

 

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