年末調整の12月から3月までの間は、相続税の申告の仕事はできない

年末に 相続税の仕事はできない

12月の例会で、他の先生に土地の評価のことで、
聞かれたことがありました。
知合いの先生が、
新しく入会してきた先生を連れて来て
私に、土地の評価のことを聞きにきました。

その新人の先生は、当時40代後半、
ちょっと前に税務署を辞めたばかりで、
税務署に十数年務めた無試験資格者の先生で、
相続税の仕事はやったことがなく、
まったく相続のことは知らなかったそうです。

相続税の手続きのことや
土地評価の基本的なことを、
聞かれただけでした。

路線価や奥行補正率などの
基本的なことを説明していると、

「実は、いま実際に相続頼まれちゃって、
一緒にやってくれませんか?」
と誘われました。

でも、今は12月。
これから面倒な年末調整もあるし、
インフルエンザも流行る時期、
病院も年末年始は休みになる。
体調崩したら、確定申告も
苦労することになってしまいます。
慣れない相続ですし、
相続は想像もつかない問題点も出てくるのです。

こんな時に、知らない人の相続は、
やるもんじゃないでしょう。

 

年末に相続の申告は受けられない

 

これから確定申告があるのに

基本的なことしか聞かれなかったので、
その相続は、簡単なものかと思いました。
このくらいのことなら、手伝ってもいいかなあ、
でも大変だしなあ、
どうしようかなあと悩みました。

するとその先生が、

報酬お支払いしますんで、お願いしますよ。
きちんとお支払いしますよ」
と言うのです。

「あっ、お金くれるの!」
「じゃ、やろうかなあ?」
なんて気になってしまいました。

それに基本的なことばかり聞かれていたので
簡単な相続だと思いました。
また、よく話す先生の知人だったようなどで、

「ああいいですよ。お役に立つなら喜んで!」
とやることにしました。

こっちは生活費もろくにとれない身分ですから、
それなりにお金もらえるんなら、
ムリしてでもやっちゃいます。

そうしたら、これが大変!
ものすごく量があるし、
複雑な土地の評価でした。

話を聞いたのが12月、年末調整があり、
個人の確定申告の時期にもなります。
そして、その相続税の申告期限が3月でした。

土地の評価ができないこともある

被相続人は、農民の方でした。
そして他のお百姓さんなどにお金を貸して、
それが返してもらえないと
田畑をもらっていた人だったんです。

その為、あちらこちらに田畑を持っていました。

さらに、その所有土地が
土地区画整理になっているところが多くて、
路線価地域なのか?倍率地域なのか?
はっきりしない地域になっていました。

最近の住宅地図を買ってみても、
実際の土地の場所、形もあっていませんでした。

全部事項証明、固定資産評価明細からも、
実態がつかめませんでした。

そんな土地が何十区画もあるんです。

当時は、広大地の評価も
よくわかる参考書がなくて、
理解しにくく困り果てました。

12月から3月は相続税の仕事はできない

後から聞いたんですが、
私の前に何人かの人に
一緒にやってくれないかと頼んだのでしたが、
ちょっと作業に取り掛かったら、
面倒で量が多いので、断られたそうです。

ちょっと調べただけでも、
かなり面倒な相続になるとわかるので、
引き受けた人が、後から断って来たようなんです。

その為、作業が進まない状態で、申告期限まで、
あと3か月くらいになってしまったそうなんです。

それに、その相続の申告期限が3月ですから、
誰もやりたがらないのでした。

年末調整の12月や、確定申告の時期では、
相続税の仕事をすることは
だれでも辛いでしょう。

こんな時期に
さらに仕事を増やすことは誰でもイヤです。

慣れない仕事、わからない仕事をすることも
忙しい時期ではできません。

12月から3月に
相続税の仕事をすることは辛いです。

個人事業者を多く受け持っていると、
一人会計事務所では、
こんな時期に相続税の申告は
受けられないかもしれません。

 

この相続はかなり大変でした。
私も当時40代でしたから、
こんな大変な相続もなんとかできましたが、
もう50代になると、できないでしょう。

それなのに、60代以上の先生たちからみたら
私はまだ若いので、
12月から3月に
相続のお手伝いを頼まれることがあるんです。

「ちょっと頼みがあるんだけどさあ…」
ああ、この言葉聞きたくない。

 

 

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