不動産の税金は難しい
不動産には、様々な法律がかかわりますので、
不動産の税金の相談を受けた場合には、
民法など、
税法の他にも多くの知識が必要になります。
また土地、建物の金額は高額なので、
それにかかわる様々な費用や諸税も
高額になってきます。
その為、相談を受けた場合には
慎重に答えなければなりません。
不動産取引を仕事にしていないので、
不動産に関する相談を受けた場合には
わからないこともあるし、
いつも扱っているわけでないので、
適正な説明がすぐにはできないと思います。
不動産に変わる税金やその他の法律について、
慣れていない場合には、調べるのに時間が掛かるし、
お金もかかることも多いです。
司法書士業務になるものなど、
他業種の案件を相談されることもあります。
土地や建物の税金相談は難しい
不動産に関してかかる税金は、
取得の相談においては、
取得資金に関する税や、登録免許税等の説明を、
売主側からの相談の場合には、
譲渡所得等の説明をしなければなりません。
取得資金について親から借りたとか、
もらったとかに関して、贈与税の相談も多いです。
不動産に関しては、
相続税、贈与税の相談や問題もあります。
遺産分割、遺留分の問題など
税法以外の問題も関わってきます。
不動産を
生前に特定の人に渡すこともあるので、
贈与税の問題や
遺留分などの問題も生じます。
さらに法人が土地を借りる場合になると、
法人税まで考えなければなりませんから、
かなり難しくなってしまいます。
役員などの個人所有の土地に、
法人が倉庫を建てる場合にも
よく考えなければなりません。
変な人からの相談やトラブルを避ける
昔は、住宅を購入したサラリーマンから、
住宅ローン控除の依頼もありました。
でも、今では知らないサラリーマンから、
住宅ローン控除の依頼は
ほとんどなくなりました。
それに、住宅ローン控除なのどの
不動産に関わる税務申告書の作成を、
時々不動さん会社の従業員が、
やってしまうことがあります。
そんなことをすれば、法律違反になりますが、
宅建業者の中には
自分の客の税務申告をしてしまう人もいます。
そんな不動産業者に関わってしまうと、
法律違反の協力をしたことにもなりかねません。
税金の相談に乗った場合には、
犯罪に巻き込まれないように
用心する必要もあります。
例えば、所有者を装った土地の売買に
協力させられそうになった会計事務員もいます。
違法な登記に必要な譲渡契約書の作成や、
人をだまして、地役権の設定に
協力させられそうになった会計事務員もいました。
私も、バブル期には、
不動産がらみで 危ない目に合っています。
その為、当時栃木県の会計仲間やある支部では、
不動産業者に関わらないほうがいい
という警戒感が出ていました。
不動産屋の顧問はできない、ムリ?
不動産屋さんを顧客にした場合には、
不動産屋さんの税務処理をすることになりますが、
それは難しいことだと思います。
所得税では土地等に係る事業所得等の金額を
意識しなければなりません。(現在休止中)
銀行からの借入など、
会計処理も忙しくなるかもしれません。
そして、消費税の取り扱いが
特殊、煩雑な場合も出てきます。
消費税の扱いは、
土地等の譲渡等や住宅の貸付けは非課税売上ですが、
その扱いが、難しいです。
売上が5億以上あるような不動産業者になると
一般課税方式になり95%以上であっても
仕入れ税額控除が全額控除できません。
金額も大きくなるので、
かなり神経を使うことになります。
不動産取引のことを知るほど、
不動産業の税務や会計をすることが
いかに難しいか、
神経を使うかがわかると思います。
また不動産屋さんを顧客にした場合には、
その不動産屋さんのことだけでなく、
その不動産屋さんの客の税務相談も
持ち掛けられます。
そんなことまでやっていられないと思います。
一人会計事務所が
不動産業者さんを顧客にすることは
大変なことだと思います。
私には、不動産屋さんを
顧問にする能力はありません。
しかし、不動産屋さんを顧客にして、
しっかりと不動産の勉強をし続けると
不動産取引の知識もついて、
幅広い税金の知識もみにつくので、
会計事務所経営者としては、
力が付くと思われます。