パソコンについていけない。PCがあれば経理の職人技はいらない?

パソコンがあれば、職人技はいらない

30年くらい前の、
まだパソコンが普及していなかった頃、
会計業務は手計算でしていました。

我々会計事務員は、顧問客に 各種の補助簿を書いてもらい、
入出金伝票や 振伝を書き、
仕訳して、転記して 試算表を作成していました。

それが事務員の職人技だったと思います。
その時代は、転記ミスをしないようにすることなどが
技能であり、
それが事務員に求められる仕事でした。

さらに、暗算や、そろばんができる人ほど
できる会計事務員で、
そういう仕訳、転記や集計ができることが
会計事務員の技術でした。

今でも、これらができなければ
仕事になりませんが、

昔に比べたら、
その転記や集計能力は、必要とされていません。

 

大工さん等の建築系の仕事でも、
電気修理店でも、自動車の修理工場でも、
長い年月をかけて培った職人技が、
電子計算機や機械などの進化により、
不要のもののようになってしまったものがあります。

 

覚えることが増える

しかし、それらの仕事がなくなったわけではなく、
その職業技術が、
全く使われなくなったわけでもありません。

使う頻度が減ったものの、その技術を維持しながら、
機械化や時代の変化に合わせて
もっと、色々なことを 覚えなければならない時代に
なっているような気がします。

つまりは、仕事の負担が増えているのではないか
と思うのです。

パソコン

 

パソコンの変化に対応できない

今の時代はパソコンができないと
仕事も生活もできなくなっています。
1980年代から、会計事務所では
会計処理専用機で会計処理をしていました。

その頃は、会計専用機なので
簿記が少しできれば、パソコン作業は楽でした。

その後、ウインドウズ3.1が
インストールされたパソコンが
市販されるようになってから、
覚えることがたくさん出てきてしまいました。
専用機の方が楽でした。

その為、ウインドウズという
OSの扱いを覚えなければなりません。
私も1990年平成のはじめの頃から、

ウインドウズ3.1を覚え、95、ビスタなどと、
次から次へと、新しいウインドウズの操作を
覚えることになり、
それにはとても苦労しました。

やっと覚えたかなあなんて思っていると、
OSが変わってしまうのです。

それに、パソコンがすぐに壊れたり、
ハードデスクがいっぱいになったりして、
次から次へとパソコンを
買い替えなければならなくなってしまいました。

ウインドウズの操作は大変で、
ファイルとか端子とかアプリケーションソフト、
インストール、バージョンアップ・・・
・・・ちんぷんかんぷんでした。

会計ソフトも、パソコンが変われば
インストールし直したり、
設定し直したりすることに苦労しました。

パソコンは、ソフトの進化についていけないので、
すぐに使えなくなり、

2,3年で買換えなければならなくなりました。

レーザープリンターも20万円近くするし、
トナーも高いので、
パソコンの為に働いているようでした。

 

また、キーボードの入力の操作を覚えることも
大変でした。
日本語入力、ローマ字入力など覚えきれません。
パソコンが変わると
データーをバックアップしていないと
大問題になります。

バックアップって一体なんだ?

フロッピーディスクに入りきらないので、
外付けハードが必要になると
電気屋さんで教えてもらっても、
何のことかよく理解できないし、
どうやって取り付けていいのかわかりません。

その後どうやってデーターを見るのかも
分かりませんでした。

当時パソコンの電源のオン、オフも
できない人達がいるくらいでした。

パソコンと共に

ついていけない

現在は、会計事務所では、パソコンがなければ
仕事が出来なくなってしまっています。

私も、もしパソコンがなくなったら、
昔のようにペンを使って、
仕訳帳に仕分を書いて、転記して、
試算表をペンで書かなければならないことになっても、
きっと試算表は、手書きでは作れないと思います。

パソコン会計で試算表を作るという
新しい職業の技術が、
いつの間にか私にも 宿ったのかもしれません。

今まで培ってきた会計事務員の技を
使うことがなくなったかのように思えましたが、
パソコンを使った会計事務員の仕事は、
今の時代の職人の技と言っていいのかもしれません。

ワード、エクセル、アウトルック、
スキャナーの操作も苦労しやってきました。
データーのバックアップもできます。

会計ソフトなどのバージョンアップも出来ます。

すぐに仕組みが変わってしまうパソコンなので、
大変悔しい思いをし、苦労してやって来たからこそ、
今それらができるのでしょう。

嫌だと思っても、辛いと思っても、
お金がかかったけど、
やって来たから、
パソコンが何とか使えるのだと思います。

今の会計事務所の仕事は、とても大変です。
でも変化が激しく、
パソコンの扱いで苦しんでいるのも
会計事務所だけはないと思います。

覚えれば便利なパソコンですが、
操作方法やシステムの変化がとても速いので、
パソコンを利用した仕事は
お金も、覚えるのにも時間が掛かります。

辛くても、技術の進化、社会の変化に
ついていかなければなりません。

ああ・・・辛い。つらい。
あまりにもやることがたくさんあるので、
一人で何もかもやることは大変すぎます。

 

 

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