年一決算:確定申告だけの問題点
時々インターネットの会計事務所っぽいHPで、
月9,800円で、
記帳代行をしていることを見かけます。
そんな格安手数料で、
やっていけるのかなあと思います。
小規模事業者の顧問や記帳の仕事でも、
月1万円以下では、
色々と問題は出てくると思います。
でも、私も30年位付き合っている顧客がいて、
月5000円でやっている所もあります。
事業規模が極めて小さく雑所得という感じで、
年間の仕訳も金額も少ないので、
仕方がありません。
また、月々の料金をもらっていなくて、
決算の時にだけ依頼してもらえるお客さんもいます。
(いわゆる 年一決算)
そんな人は超小規模事業者で
仕訳処理もとても少なくて、
時間が掛からないので
申告代だけをもらっていやっています。
でもそんな顧客ばかりでは、
生活していけませんから、
月々の顧問料や記帳料を
キチンともらってやるような事業者が、
たくさんいないと生きていけません。
売上が少なくても、
事務処理の量がある顧客です。
そんな方は、儲けが少ないので、
決算料を払える資金がなく、
お金がもらえないので困るんです。
そういうお客さんは高齢者が多くて、
色々親切にしてくれるので、
お金がもらえなくても
仕方がないなあと思います。
しかし、個人の確定申告の期間は短くて、
その期間には
できるだけお金がもらえる事業者の時間に
費やしたいです。
こっちも生活がかかっていますから・・・
・・・お金のことをあまり
言っちゃいけないんでしょうけど、
月々の料金がもらえないと辛いです。
年一処理の問題点
年一処理の顧客の場合にも、
時々問題が起こることがあります。
伝票がたくさんあった場合、
確定申告の時期に、一年間分をまとめて
領収書から集計させられたのでは
時間がなくてできません。
第三期に、事務処理が集中してしまうと
処理ができなくなります。
一人会計事務所では、
自分一人で何でもやらなければならないので、
個人の確定申告の時期は、時間が足りないのです。
小さい規模の事業主さんでも、
定期的に
帳簿や領収書を預かって処理したいところです。
その為にも、月々の料金をもらって
顧問契約をお願いしたいです。
年一顧客と消費税
年一処理の顧客でも、売上が結構ある方もいます。
建設業などの一人親方等の場合には、
売上が結構ある人もいます。
確定申告の時だけ、領収証を持ってきて
依頼してくる建設関係の事業者の方に
嫌な文句を言われる場合もあります。
そんな人は利益が大きいので、
所得税額が高くなります。
「税金がたけーよっ!
そんなに儲かっているわけねえだろう!」と、
怒り出す人もいるので嫌になります。「急にこんなに税金払えって言われたって、金なんかねーよ!」
さらに、こういう事業主の方は、
年によって、
消費税の納税義務が生じたり、
生じなかったりする場合もあります。
これが面倒なんです。
消費税がなかった時代や、
基準期間の課税売上が3000万円で、
納税義務の有無が決まっていた時代なら、
一人親方などからも、年一決算でも受けられましたが、
今の時代は、一人親方などの
小さい事業者とはいえ
月々の処理をして、
一般の事業者と同じような扱いをしなければ
問題が起こるようになってしまいました。
しかし相手は、申告代の他に、
月々の顧問料や記帳料を払って
定期的に財務諸表を作って、
納税の準備をしようという気になってくれません。
そんなトラブルになりそうな顧客は、
断りたいのですが、
今は顧客を取ることが大変難しい時代なので、
断るわけにも行かないんです。
一人会計事務所は、
こんなところでも苦労するところになるのです。